ねこの病気について


猫伝染性腹膜炎(FIP)

この病気は「コロナウィルスの感染症」のひとつです。
猫伝染性腹膜炎は比較的少ない病気ですが、罹ると命取りになります。これは6ヶ月齢から5歳位の猫がよく罹ります。
FIPには2つのタイプがあります。
(1)腹水や胸水が大量に溜まるウェット型FIPと、
(2)リンパ節や腎臓、目や脳がおかされるドライ型FIPです。
感染経路
空気感染といわれていますが、完全に解明されていません。
人を介しても伝染します。皮肉なことに猫が好きな人程、たくさんの猫に接触することが多くウィルスを運んでしまうそうです。
比較的多い約30パーセントの猫が感染しているとされますが、実際発病するのはそのうち1パーセント程度でそれほど多くはありません。
いわゆる私たちが「ねこ」と呼んでいるのはすべて「ねこの雑種」だそうで「コロナウィルス」には比較的免疫が働くらしいのです。
ですから感染しているからといって必ず発病するとは限りません。体質や環境やストレスなどなにかきっかけがあって発症するので出来るだけストレスを与えない環境においてあげることが大切です。


ところが純粋な純血の「ねこ」とは「トラ」などに代表されるもので、これら「純血なねこ」は「コロナウィルス」に全く免疫が無いため、感染するとあっというまに
死に至るそうなのです。今まで「コロナウィルス」が存在しなかった野生の世界に人間が侵入していく(狩りやサファリなど)ことでウィルスを広範囲に運び込み、
アフリカ大陸のある種の「とら」はあと2年で絶滅するそうです。私たち人間は一体どこへいこうとしているのでしょうか。
予防
1、今のところワクチンはありません。
2、FIP陽性の猫は感染しないように気をつけ、他の猫と接触しないようにします。また、担当ドクターの指示に従ってください。
治療の重要ポイント
1、FIPに罹った猫は予後不良で、大抵は治らないと考えられています。治療としては少しでも長生きするように不快さを和らげてあげることです。
2、家庭での治療は温めるなどよい環境を作ってあげ、指示通りに薬を飲ませたり、必要ならば強制的に食餌を与えます。方法については注射器を用いたり
  胃までチューブをいれ直接流動食を入れるなどありますが、ドクターの説明を受けてください。
マーチの場合
マーチは「ドライ型FIP]に罹っていました。
保護時点ですでに立ち上がることができず食事も水も受け付けない状態で背骨とアバラ骨がくっきりと浮き出すほど痩せていましたが
胸腹部だけは風船にめいいっぱい空気をいれたように不自然に膨らんでいました。
病院に到着し診察まで約2時間が経過し、その間に口を開け舌を出して肩で呼吸するようになってしまいました.
しかし、何とか「ブドウ糖」と「強肝剤」「強心剤」の点滴で翌日には自力で食餌ができるようになりました。
この日の血液検査の結果、「肝機能」が正常値の百倍程の異常値を示していることから「毒物」を食べたのでは。と診断されたのです。
急性毒物中毒なら、解毒することで良くなるので少し安心しました。それよりも、退院する際の血液検査で「白血病キャリア」であることが
分かり、中毒症状のストレスにより発病しないようにと心配していました。
便は一日一回、正常で尿の量は普通ですが、ビタミン剤の点滴と 黄疸のせいで「真黄色」をしていました。
気になった症状
ドライ型の典型で「目」に症状が現れていました。
上目遣いになると、目がつり上がり左右の焦点が合っていません。
それほど目立つほどではありませんが「なんとなく目つきがおかしいな」と感じます。
また、2,3歩歩くだけでふらついてたおれてしまいます
再入院で行った検査
退院後10日経ってもあまり状態に変化が見られず、食べているのに体重が全然増えていないのでもう一度病院に連れて行きました。
触診・・・・やはり肝臓が肥大しており、細い線維状の硬いものに触れるものがある。
胸腹部のレントゲン撮影・・・・本来は心臓、肝臓、胃、小腸、大腸などが映しだされるのですが「マーチ」の場合はすべて真っ白になっていました。
                    つまり腹腔に体液に近いもの(腹水)がぎっしり詰まっている状態になっていました。
腹水を抜く・・・・・腹部に局所麻酔をし 腹腔を穿刺し腹水を吸いだそうとしましたが、マーチは「ドライ型」であるため腹水といっても非常に粘着性があるため
           抜いてあげる事ができませんでした。ウェット型の場合はこの方法で抜くことが出来るので圧迫感が軽減され呼吸も楽になるそうです。
超音波検査・・・・肝臓の組織が線維化している部分が数本細く白く映し出されていました。 
血液検査・・・・・亡くなる二日前のデータです。          
この検査の結果初めて「猫伝染性腹膜炎」と確定診断されました。
猫伝染性腹膜炎が完治しない病気だと知ったとき、マーチの残りの時間は苦しくないよう、寂しくないよう過ごさせてあげようと決めました。
出来るだけ長く生きて欲しいと思いましたが、延命処置はしないつもりでいました。むしろ長く苦しむくらいなら「安楽死」をも考えていました。
今まで充分苦しんできたマーチを眠るように逝かせてあげたかったのです。
再び家に帰ったマーチには出来るだけストレスを与えないように部屋を暖め一緒にいるようにしました。

病気を持つ猫と暮らすこと

マーチの血液検査結果


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