実家の母がえさやりをしていた猫を捕獲し 避妊のため病院に連れて行きましたが手術当日の朝に6匹の子猫を出産していました。
初めて捕獲去勢したトラちゃんをリリース直前に兄弟がいた事が判りました。
その子がウララ・女の子でした。母が「妊娠しているかも」と気にしていたのがこの子だったのです。

ウララちゃん一家の保護記(1)
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2004年3月18日
賢いウララはお腹が空いているはずなのになかなか捕獲できずにいました。
今日は無理かとその場を離れて2時間後に戻ると捕獲器の中にウララが入っていました。
直ぐに獣医さんに電話をし、連れて行くことになりました。
獣医さんも「トラちゃん1号によく似てるね〜・・・でもこの子は女の子の顔してるね。
それに・・・お腹に赤ちゃん入ってるな、う〜む」と複雑な表情をしています。
とにかく明日手術しましょうということで預けて帰りました。
たとえまだ生まれていなくても避妊手術はお腹の赤ちゃんの命ごと摘み取ってしまう事です。
気持ちのいいことではありません。
でも、その後はウララは2度と妊娠することはありません。
一代限りの生を全うしてもらえるように見守っていくのです。

2004年3月19日
朝9時半ごろ獣医のムラキ先生から電話がありました。
「あの子ね、今出産してるよ」

驚く私に先生は二つの選択肢を用意しました。
1、子猫を安楽死し母猫は避妊手術する。
2、母猫に子猫を育てさせる
この時点で子猫は5匹生まれていました。
ここで「育てます」と即答できない私はまだまだ弱いのでしょう。
でも「それでは安楽死させてください」とは絶対に言えないことも判っていました。

迷う私の背中を推してくれたのはヒデさんでした。
「安楽死を選べば一時的に責任から開放されて楽になるかも知れないよ。
でもね、そうすればノリちゃんは後で絶対に後悔するし苦しむよ。
里親さんは努力すればきっと見つかると僕はそう思っている。
一人で思い悩むことでないし、協力するよ」と。
そしてもう一人捕獲器を貸してくれた友人レイママも
「全面的に協力するからね。里親さんは見つかると思っているし
頑張って良かったって後になって笑える日が必ずくるよ」と言ってくれました。

それでも私は迷っていました。里親さんを見つけてあげられるのか
見つからなければ転勤族の我が家が8匹もの猫をつれて数年に一度の引越しをしていけるのか。
・・・それは厳しい。でも子猫を殺す選択はできない。なら受け留めるしかない。
そして素敵な里親さんの元へ送り出すようにやり遂げるしかない。
ひしひしと感じる責任。

病院の午前診が終わる直前に先生に電話し夜に夫と迎えにいきますと伝えました。

夜7時半に最寄り駅でヒデさんと待ち合わせて病院へ行きました。
先生はもう一度「どうしますか」と泣き笑いのような表情で聞いてくれました。
「里親さんを探すことにします。会わせてもらえますか」と伝えると「会う?一度でも見ちゃうとね」といいつつも
「この子もうお母さんの顔をしてるよ」といいながら捕獲器に被せている布をそっと開けてくれました。
本当です。お母さんの顔をしています。お乳には赤ちゃんたちが吸い付いていました。
「わあ、可愛い」ヒデさんの言葉です。

猫の場合の里親探しって難しいんだよね・・と職業柄からも色々なケースを御存知の先生は
ずっと心配してくれていました。私達が1の選択をすれば先生が手を下すことになるのです。
お腹の中にいる子でも生まれてきた子でも非常に嫌な仕事ですという先生に
私はそんなことさせられないという思いもありました。

「またなにかあったら連絡してください」と言ってくれた先生と受付の女性の方にお礼をいい
ウララと子猫6匹(になってました)と帰宅し猫部屋つくりを始めました。

そしてウララを捕獲した3月18日は奇しくも保護後たった16日で天国へ逝ってしまった
マーチの命日でもあることに気づきました。マーチ見てる?
私達、間違ってないよね。

保護記

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